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症状の変化 その3——初めての大発作

 医師の忠告に従い、飴やチョコ、ブドウ糖を常に携帯するようにした。症状が出たらすぐにこれらを口にする。一ヶ月ほどは、なんとかこれでごまかすことができた。しかしその間も症状は、じわじわと強まっていった。運転中などに起こる強烈な眠気は、もはやどうしようもなくなり、恐怖を感じて、自宅からわずか500メートルほどのところで引き返すこともあった。目の前が真っ暗になったり、ものが二重に見えて、天井が回ったり、視界がぐにゃっとするようになることが増えた。しびれにいたっては、少なくとも二、三日に一度。酷いときは日に何度も起きていた。日々、不安感に嘖まれ、病状の改善方法を探って、インターネットや図書館で調べものをしても、その場での回復方法しかなく、治癒方法が見つからない。

 こんなに症状が強くなったのは、自分が低血糖だと知ってからだ。きっと、精神的なものが関係しているに違いない。そう勝手に思い込んでいた。だからといって、もちろん症状は相変わらずで、飴やチョコだけでは足りなくなり、おにぎりやパン、フルーツなど糖分の多いものを間食で摂るようにした。英語のレッスン前と、レッスンとレッスンの合間は特に意識して食べるようにした。

 そんな日々を送る中、ついに激しい発作が起きた。始まりは、軽い躁状態だった。週末、家族と買い物に行こうと、鏡の前に立ち、服装をチェックしていると、突然心がウキウキして、ポージングをしだしたのだ。頭の中は冷静で、何やってんだ? 変なの。と他人事のように考えていた。そのまま車に乗ると、どんどん心と頭が切り離されていき、心だけがフワフワと漂いだした。頭はそれをどうにか押さえようと、窓の外を眺めたり、後部席を振り返り、子供を気にしているかのように装っていた。しかしお店に着くと、心と頭の繋がりがぷつっと切れた。目の前がぼんやりし、手足をバタバタさせ、だだっ子のように、座席で暴れ回った。頭は、夢を見ているような感覚で、うわっ、シャツがめくれてる。下着が見えちゃうよ。などと冷静に考えていた。しかし、切れた繋がりは戻らず、規制が効かない。座席から転げ落ち、座席の下で、けらけら笑い、こどもの名前を呼んで、話しかける。家に帰り、主人に担がれて寝室に運ばれ、そのまま眠りについた。

 目を覚ますと、先程までの異常は消えていた。自分が何をしていたかも全て覚えている。居間へ行くと、主人にジュースと、でかいおにぎりを渡され、それを黙々と食べた。わたしが寝ている間に(意識を失っていた、と言うほうが正しいのかもしれない)主人は看護士の友人に連絡を取り、対処法を聞き、病院へ行っている間の子供の面倒を頼んでいた。病院にも連絡を入れてあり、病院へ向かう途中もさらに菓子パンと飴を口にした。

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